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【読書感想】ひろゆき『このままだと、日本に未来はないよね。』未来を予測をする方法

ひろゆき氏の新刊『このままだと、日本に未来はないよね。ひろゆき流時代を先読みする思考法』を読んだ。その概要と感想・レビューを以下にまとめる。

このままだと、日本に未来はないよね。

このままだと、日本に未来はないよね。

 

 

 “オワコン日本”で幸せに生きるために

タイトルにも書いてあると通り、「このままだと、日本に未来はないよね」について最初に書かれている。さて、「このまま」とは、どういうことか?それは、日本の現状を直視せず、「日本はこのままだとヤバい」という状況に気づいていないということである。

 

「おわりに」にも書いてあるが、「日本がよくなるためにはどうしたらよいか」を考えてみたとき、重要なのは「敵を知り、己を知り、改善を繰り返す」ことである。受験勉強で例えてみると、「志望校のレベルを知り、現状の自分の成績を知り、定期的に模擬テストを受け成果を確認し勉強方法を改善していく」ということだ。

 

「日本がよくなるためにはどうしたらよいか」という問題をこの考え方に当てはめたとき、やるべきことは「外国のいいところを知り、日本のよくないところを知り、改善を繰り返す」となる。

 

しかし、現状、そのやるべきことができていない。「日本はスゴイ」「あの国はここがダメ」「日本を褒めない奴は追い出せ」みたいな言説もある。勉強していない子供を無駄にほめても、他の子どもをけなしても、成績は良くならない。現状を直視して、問題を解決しなければ何も変わらない。(ちなみに、この本の目的は、日本の悲観論を広めることではない。)

なぜ日本はヤバいの?

その理由として、

・2019年10月の消費税2%増税による負の連鎖

(日本の経済成長率は1%前後なので2%の増税には耐えられない可能性が高い)

・2020年の東京オリンピック後の投資の終わり→失業者の増加

・日本経済が傾き、株価の低下・ババ抜き的状況の発生

などが書かれている。

 

また、なぜ日本はヤバいの?については、『働き方完全無双 ひろゆき』にも書かれている。そこでは、その原因は、インターネット、コンテナ、ゲーム理論の3つであると述べている。

働き方 完全無双

働き方 完全無双

 

インターネットで情報流通のコストが限りなく低くなった。
コンテナの発明により輸送コストがかなり安くなった。
ゲーム理論的に正直に商売した方が得になってきた。

これらが結び付き、人件費の安い国を使って、低コストで指定の場所に輸送することができる。また、安くて適当なモノづくりをしてしまうと次の仕事が来なくなるので、ちゃんとした品質で作る。 こうなると、日本など人件費の高い国で作ったものは競争に勝つことができなくなる。

→先進国の製造業は不況になる
→景気が悪くなる
→安いものが売れるようになる
→さらに海外の安い製品が売れるようになる

では、そういった予測をどのように行えばよいのだろうか?

 

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予測精度を上げるコツ

経済合理性にかなったモノは普及する

新しいビジネスや商品がこれから普及していくか予測する際には、まず「経済合理性」から考える。経済合理性とは、経済的な価値基準に沿って論理的に判断した場合に、利益があると考えられることである。つまり、安くて役に立つ、お得で無駄の少ないものが普及していくということである。
ただ、経済合理性にかなっていても、行動経済学などで示されるように、人間はバカな判断をする可能性があることがあり、予測がうまくいかない場合もある。

 

普及しない理由を考える

新しいテクノロジーやサービスの将来性を予測する際は、普及しない理由を考える。その理由の多くは、コストの問題と感情の問題である。この問題が解決されたとき、普及する。例えば、ドローン技術が普及したのも、小型で安価なコンピュータが機体の姿勢を制御できるようになったからだ。また、将来的に成長する端末として、目の網膜にレーザーで映像を直接照射する網膜投影型のディスプレイを上げている。網膜に光を当てるのが怖いといった生理的嫌悪感の問題が解決されれば、普及する可能性は高い。

 

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事実を積み重ねて合理的に考えてみる

このポイントは、「僕が的中させた三つの予測」から考えたことだ。

「Aという事実を踏まえれば、Bになる」という形式で予測するのだ。
事実からスタートし、その前提込みで予測をするのである。

 

ひろゆき氏が意識している話し方として、
「こういう事実があります」という事実ベースの話をしていることが多い。
事実を覆すことはかなり難しいため、反論されにくいのだ。それを応用しているのだと考えるとよい。

 

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「僕が的中させた三つの予測」では、

iPhoneは売れない」

ニンテンドースイッチは成功していない」

「仮想通貨NEM流出事件の予測」

の3つが取り上げられている。

 

たとえば、「iPhoneは売れない」という予測は「ひろゆきの予想が外れた」とよく言われているものである。しかし、「iPhoneは売れない」という予測には足りないものがある。それは、この結論に至るまでの条件が抜けているのだ。

この予測は、2008年にiPhone3が日本で発売されたときのものである。iPhone3は、買った後に、パソコンにつないでアカウントを作成する必要があり、通話中に電源がよく落ち、再起動してばかりの端末であった。その後、3Gになり、通信速度が速くなり、電源落ちもだんだん少なくなり、iPhone4ぐらいからようやくパソコンなしで使えるようになった。つまり、普及するための必要な条件をクリアしていったのだ。

iPhoneは売れない」という予測は、結論部分だけが切り取られており、前提が省略されてしまっている。

「アカウント作成のためにパソコン必須のままなら、iPhoneは売れない」という前提込みの主張ということである。

 

追記

コメントを見る限り、上記の表現では、正確に伝えられていない部分があると感じた。

議論レイアウトで有名な主張を図式化するためにトゥールミンモデルで整理するとわかりやすいと思う。

①「データ」:結論を導くための証拠の部分     
②「結論」:データから導かれる結論      
③「理由付け」:データから結論への結び付きの妥当性を表すもの

 

ひろゆき氏の予想は、

データ:アカウント作成のためにパソコン必須が問題

結論:iPhone3Gが売れない

理由付け:iPhone3Gのバージョンのままではアカウント作成のためにパソコン必須

となっていると考えられる。

 

この予測をした当時の発言がこの理由付けに関してどの程度明言していたのは不明だが、この理由づけの部分を明言していないと、予想が外れたと考える人がいてもおかしくないと思う。

 

また、さらに踏み込んだ予想として

データ:アカウント作成のためにパソコン必須が問題

結論:iPhoneは売れる

理由付け:iPhone3Gの次のバージョンではアカウント作成のためにパソコン必須がなくなる

という予想もできたのではないかなと思う。その点では、ひろゆき氏が十分予測できていなかったといられてもおかしくない。

 

 

 

この本の最初にも書いてあるが、そもそも、未来を予測するは難しい。物事の変化が速くなってきている現代なら、なおさらである。その中でも、未来の予測をすることの意義としては、「こういう考え方や見方をすると、こういう答えが出る」「これとこれをつなぎ合わせると、こういう情報になる」といった自分の考えを組み立てる訓練としての意義があるのではないかなと思う。そこで作り上げた仮説を検証し、「違うな」と思ったら、その都度、その前提を見直し、仮説を変更していくことが重要なのだと思う。

 

バイアスのないように必要な情報を集める

2018年1月の「仮想通貨NEM流出事件の犯人の行動の予測」が的中したのは、予測するために必要な情報があったからだ。仮想通貨は、どういう仕組みで、決済するためには何が必要かなど、全ての流れは公開されている。したがって、犯人が持っている情報と、ひろゆきが持っている情報はほぼ同じであったのだ。そのため、自分が犯人であればどうするかを合理的に考えれば、おのずと結論は予測されるというわけだ。

 

予測をするためには、予測のベースになる情報が必要である。意識するべきは、前提となる事実や情報を、できるだけバイアスのないように集め、それらを基に、論理を積み重ねていき、結論に到達することだと思う。これが意識できれば、「こういう情報があれば、ここまで結論が予測できる」ようなことまで考えられる。

 

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ひろゆき氏の予測

本の帯や内容から予測の結論部分だけ紹介する。どういう前提でこの予測が導き出されてきたか、興味が出た人は本を手に取ってみるとよいかもしれない。

 

・『ターミネーター』のようなAIの暴走は起きる

・日本から基幹産業がなくなる

・マイカーがなくなるのは時間の問題

第三次世界大戦が起きる

・火星移住より先に人類は自滅する

・「生きがい」も買える時代に

・中国にかなう国はこの先20年は出てこない

・”ぬるい”日本からジョブズは生まれない

・”ポストスマホ”は網膜投影型

・日本の若者が暴動を起こす

・日本のカジノは成功しない

・日本はヤバイけど個人にはいい時代

 

正直、この本に関しては、今までの著作に比べると整理されていない印象をうけた。ひろゆき氏の考えを知りたいなら、今回紹介した本でなく、

「無敵の思考 誰でもトクする人になれるコスパ最強の21のルール」

「働き方完全無双」

の方がよいと思う。

無敵の思考 ――誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21

無敵の思考 ――誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21

 

 

 

ひろゆき氏はYoutubeの放送で本書に近い内容のことをよく話しているので、興味の出た方は見てみるとよいかも。下は、本書が発売されて後の放送。

www.youtube.com

 

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