ぺんぎん村での日々

イラスト・写真・ゲームを中心とした日々

物語は「欠如→回復」 映画・ゲームの物語・ストーリーをより楽しむための方法

日頃、映画、ゲーム、小説などの中の物語を楽しんでいる。

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物語をより楽しむために、
分析の方法を考えてみる。

分析の基本は比較である。

 

NHKの番組で「テストの花道」というものがあったが、
そこで次のようなことが述べられている。

 

比べることは全ての思考の源である。
比べることができなければ分析はできない。

 

分析とは、
複雑な事柄を一つ一つの要素や成分に分け、
その構成などを明らかにすること、である。

この分けるという作業において
対象が何と同じで何と違うかを考える。

 

ここでは、基本となる物語の型を身に着けることを目的とする。
自分が見ている物語が基本となる物語と
どのように似ていて、
どのように違うか
考えるためのヒントになればと思う。

 

今回は、N予備校の『ものがたり創作 特別講座』(無料で見られる!

N予備校
を参考にして基本となる物語の構造をまとめてみた。

 

 

 

物語の基本とは?

以下の2つが挙げられる。

「欠如」→「回復」
(「主人公が欠けた部分」を「探して見つけ出す」)
敵に盗まれた→とり戻した、欲しいものがある→手に入れたなど


「行って」→「帰る」
(「こちら側・内」から「向こう側・外」へ
「向こう側・外」から「こちら側・内」へ  またはその逆)

「こちら側」と「向こう側」というように世界を二つに分けるという考え方によって成り立っていることを意味する。
「こちら側」と「向こう側」では、価値観が異なるため、
価値観の対立を生み、そこから物語が生まれる。

 

上の2つの構造を取り入れているものとして
「ヒーローズ・ジャーニー」がある。

英雄の旅 ヒーローズ・ジャーニー 12のアーキタイプを知り、人生と世界を変える

英雄の旅 ヒーローズ・ジャーニー 12のアーキタイプを知り、人生と世界を変える

 

 90年代以降の多くのハリウッド映画は、
この「ヒーローズ・ジャーニー」の文法に従って描かれている。
つまりハリウッド映画のシナリオ制作マニュアルといえるものである。
たしかに、ハリウッド映画のストーリーが余りに画一的になりすぎたという批判もあるが、
それほど多く使用されてきたということは、
人々を惹きつける物語を生み出してきたともいえる。

 

ヒーローズ・ジャーニーの構造とは?

1. 日常の世界

主人公に欠けているもの(内的なもの、外的なもの)を示す

 

2. 冒険への誘い

主人公の小さな日常においてでなく、世界そのものにおける「危機」や「欠落」を示す。
この世界における「欠落」=「危機」は、
主人公の内的な欠落と重なりあう。

 

 

3. 冒険への拒絶

主人公が冒険を「拒絶」する、または「邪魔」されることで、
「危機」はますます拡大したり、
日常に「危機」が迫る。
主人公は結局、決意せざるを得ない状況になる。
「何もしない」と事態は悪化する。

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4. 賢者との出会い

主人公の旅立つ前に、
主人公を後押しする「賢者」が出現する。
「賢者」は「情報」「アイテム」「技術」「説教」など与えることで
主人公に「外の世界」と関わっていくための助力してくれる。

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5. 第一関門突破

日常の世界と冒険の世界の境界線を主人公は超える。
出発の決意。「門番」が待ち構えることも。
突破した先に非日常の世界が広がる。

 

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6. 仲間、敵対者/テスト

非日常の世界での主人公を取り巻く関係図がつくられる。
「仲間」と「敵対者」が示され、
主人公は今後の試練に耐えうるかテスト(試練)をクリアしながら、
仲間を増やし、敵に主人公の存在を知らせる。

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7. 最も危険な場所への接近

主人公は「日常」から最も遠い場所である
「非日常」の世界の中心に向かい旅をする。

「最も危険な場所」の入り口には再度「門番」がいることもある。
その先にボスキャラ「敵対者」が待っています。

また、「最も危険な場所」への旅が一度は失敗することもある。
希望を失い、「仲間」はばらばらになるが、
主人公が再び立ち上がり、仲間たちも戻ってきます。

 

 

8. 最大の試練

「最も危険な場所」で主人公は死の危機にさらされるほどの試練に会う。
主人公はこの危機の中で、「敵対者」を倒す。

ここで登場する「敵対者」は、
主人公と反対の方向に自己実現した主人公の「負の部分」のような存在であることも。

 

9. 報酬

主人公は探していたもの、欠けていたもの=報酬を手に入れる。
ここでは「外的な目的」の達成がなされるが、
「内的な目的」は達成されない。

 

10. 帰路

主人公は「帰路」につく。
もともといた日常世界に戻る、または、別の日常世界で新しい日常を始める。
この時点で、敵の追手による追跡などの危機が迫る。

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11. 再生

最後の戦い。
追っ手、またはボスキャラの背後にいた黒幕(ラスボス)との戦い。
主人公が新しい自分になるために最大の犠牲(誰かの死)を払うこともある。

 

 

12. 帰還

「日常」に戻る。
そして、主人公と世界に生じた「欠落」は回復する。
それとともに主人公の内的な目的の達成がなされる。

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質問に答えて物語を作る

プロットを一文で言い表すとどうなるか?

 

「×××な主人公が△△を○○○によって□□□する」という形の文章にする。
×××は主人公の一番の属性、
△△は主人公の行動の対象、
○○○は手段、□□□は主人公のとる行動。
たとえば、『スター・ウォーズ』なら
ジェダイの血筋の少年がフォースの力によって悪の帝国の支配者になった父親を倒す」
となる。

 

主人公に欠けているものは何か?

「主人公は×××が欠けている状態にある」という形で表現する。
欠けているものにどのような意味があるか、
なぜ欠けているのか、
なぜ主人公はそれを欲するのかという、
いわば「内的」な理由を考える。

 

主人公の現在の状態はどうか?

「主人公は×××の状態で△△△を求めているが最後に□□□になる」
これは主人公の内的な変化を示す。

 

 

主人公の現在に影響を与えた「過去」は何か?

主人公が意識するしないに関わらず、
「心」に影を落としているかも知れない「過去」。

 

主人公がストーリーの中で何をするのか?

主人公が「欠けているもの」を手に入れるために
クリアしなくてはならないミッション、外的な目的。

 

その外的な目的や課題を主人公が最終的に達成するか?

主人公は「外的な欠落」を「外的な課題」として具体化し、
その課題の達成に向かって行動する。
「外的な目的」の達成のための課題に失敗しても、
主人公の内的な目的は満たされることはある。

 

その結果、手に入れるもの、失うものは何か?

「内的」にはどういう結果をもたらすか?

 

主人公の目的達成を妨害する中心的キャラクター、「敵対者」は誰か?

特に「内的な目的」の達成を阻害する障害が「敵」。

 

主人公と敵対者の価値観や考え方はどう違うか?

 

主人公の傍らにいて目的達成を助けるキャラクター(援助者)は誰か?

 

主人公を助ける中心的キャラクターが主人公を助けるのはなぜか?

 

主人公が課題を乗り越えるための力、アイテム、知恵などを与えてくれるキャラクターは誰か?

 

主人公がキャラクター(贈与者)から援助を受けるのはなぜか?

 

主人公の生きている「日常世界」はどういう場所・環境か?

 

「日常世界」と対比してストーリーの展開する「非日常の世界」はどういう場所か?

 

その日常に危機が迫っていることを予感させるできごとは何か?

夢を見る、記憶がフラッシュバックする、何気なく新聞記事に書いてあるなどの演出。

 

主人公に行動を起こさせるきっかけとなる「使者」は誰か?

主人公は行動を起こすことでためらったり、誰かにとめられる。

 

旅立った主人公の「日常」と「非日常」の境界は何か?

 

主人公が物語の中で到達する「日常」と最も離れた場所(「最も危険な場所」)はどこか?

 

主人公は、「最も危険な場所」で直面した問題をどうやって解決し、その結果、主人公はどう変わるか?

 

主人公が目的を達成するミッションの最後で失うものは何か?

 

敵対者と直接、対峙した時、主人公は敵対者を理解するか?

 

この物語の結末において主人公の生きる環境はどう変わるか?

 

以上。

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『アウターワールド』 (Another World)の感想・レビュー ゲームとアート

先日、ニンテンドースイッチで『アウターワールド』 (Another World)をやってみたので、
その感想・レビューをまとめる。

ec.nintendo.com


また、ゲームとアートの関係についても考えてみる。

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どんなゲーム?


アウターワールド』 (Another World) は、1991年に発売されたアクションアドベンチャーゲーム
ポリゴングラフィックによる映像で、テキストやセリフによる説明がほとんど行われずに進んでいく異世界での冒険を体験できるゲームである。

 

操作は、「歩く」、「走る」、「ジャンプする」、「蹴る」、「銃を撃つ」、「しゃがむ」だけの非常にシンプルなものである。

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当時はまだ珍しかったポリゴンによる表現と
場面によって挿入される音楽演出で全てを表現している。

スクリーンショットはHDグラフィックのもの)

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テキストやヒントはなく、ステージの構成や背景演出を観察しながらステージをクリアしていく解決法を探る。

 

ニンテンドースイッチ版では、

オリジナル版と現代風のHDグラフィックが選択可能であり、
異なる3つのゲームモード
 ■ビギナー(オリジナル版よりも優しいモード)
 ■ノーマル(オリジナル版と同等の難易度)
 ■ハード(オリジナル版よりも難しいモード)

が楽しめる。

価格は1080円。

 

どこがスゴイの?

 

多くのクリエーターの心をつかんでいること。

 

なぜ多くのクリエーターの心をつかんでいるのか

国内ゲームクリエイターである小島秀夫氏は『大好きなゲーム』として本作を挙げ、
上田文人氏は『ICO』(2001年)において本作の強い影響を受けたという。

 

上田氏は、この作品を見て、

単なる背景で、それが動いているだけかと思ったら、世界に奥行きがあって、ちゃんと(物語的な)整合性があったというところで、本当にノックアウト

と述べており、

「モニターの向こうに世界がある」感覚に衝撃を受けた。

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そもそも、『アウターワールド』は
フランス出身のエリック・シャイ氏が24歳の時に制作された。
さらに、制作のほぼすべてを単独で行ったのだ。

 

開発にあたっては、ストーリーの結末も決めず、
即興的に作ったそうである

 

『ルールを変える思考法』
という本の中に
「コンテンツとは、わかりそうで、わからないものある」
という考え方がある。

そもそも、わからないものをわかろうとする機能は、生存に必要である。
人間の進化の過程を考えると、
たとえば、初めて見る植物や果物に興味を持って食べる・食べないによって、
人間の生存確率は大きく違ったのではないか。


自分にとって理解の限度を超えたもの、全く理解できないものに対しては、
関係ないと思い、関心をなくす。
また、自分にとって理解が十分できるものについても、
危険でないので、関心をなくす。

一方で、微妙なもの、つまり「わかりそうで、わからないもの」は
自分の中で気にかけておかなければならない。

そうなると、次に遭遇した時に、「以前に遭遇したものと同じだ」と判断し、
わからないものを徐々に理解していく。

「わかりそうで、わからないものに興味を持つ」という本能を進化の過程で獲得したことが、コンテンツに引かれる根源だという仮説だ。

 

「わかりそうで、わからないもの」を作るためには、
みんながやっていることをやっていてはダメだ。
また、自分が理解できることでやってはダメかもしれない。
なぜなら自分が理解できるものは、誰にも理解できる可能性が高いからである。

 

では、どうすればよいか。


それは、自分でもわからないものであれば、それが独自性になる。

 

「それならば、めちゃくちゃなことがいいのか」と思うかもしれない。
しかし、そうではない。


理解できそうで理解できないギリギリの境界線上に答えがあるのだ。

 

きちんと説明できないが、正しいと自分が思うこと。
説明できないけど、素晴らしいものを作ること。
それが独自性につながり、創り上げたものをコンテンツとして成り立たせる。

 

エリック・シャイ氏は
アウターワールド』をその場その場で、自分の感性を信じて、
きちんと言葉では説明はできないが
自分の中で正しいと思うものを作り上げることに
成功したのではないかと考えられる。

 

 

気になったポイントは?

解法は一つ

製作者が意図しない行動をすると即ゲームオーバー。
ひらすら考えてトライ&エラーでやるしかない。
こうやっても解けるといったヒントを示す配慮が一切ない。

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解法の手順を間違ったらその場でわかれば良いが、
周りの状況を観察することでしか、ヒントを得ることができない。
そういう面でかなりシビア・厳しいゲームになっている。

 

ちなみに、製作者が意図しない行動をすると即ゲームオーバーになることについて、
エリック・シャイ氏は次のように語っている。

一番の目的は、そうすることによって、脅威のある世界を作りたかったんです。脅威をあらわすには、さまざまな死に方を用意するのがいい方法でした。

ゲームはアート?

2013年2月15日に行われた、エリック・シャイ氏、上田文人氏、水口哲也氏、そしてイラストレーターの寺田克也氏らが対談するトークイベント“ビデオゲーム:今世紀の芸術といえるのだろうか?”がヒントになると思う。

ゲームは芸術か? 『アウターワールド』のエリック・シャイ氏×上田文人氏×水口哲也氏×寺田克也氏という豪華対談をリポート! - ファミ通.com

 

その中で、アートを作ろうとしてゲーム開発をしているわけではないということを述べている。

 

そもそも、アートとは何かということについて、

新たな視点を与え、それまで見えなかった側面を明らかにしてくれるもの、新たな知覚を得られるもの

とこの講演では語っている。

 

そして、それは芸術としての評価が文化や時代によって変化すること、さらに主観的な判断でもあるという。

例えば、浮世絵は、描かれた当時と今の評価を比べると全く違うものであるし、
印象派の画家が浮世絵を高く評価したように、誰が見るかによっても評価は変わっている。

 

ゲームがアートとしてどんな本質があるかという問いに対して、
エリック・シャイ氏は2つのポイントを挙げている。

 

ひとつは、インタラクティブなメディアであるということ。
物語に没入して、役者のように中に入り込むことができる。

 

もうひとつは、さまざまなものを表現できること。
ひとつのできごとをさまざまな側面から描くことができ、
非常に幅広い描写が可能である。
たとえば、『ICO』では本当に女の子と手を繋いでいるかのように、
他のメディアではできない、深い関係を体感できる。
ビデオゲームが優れている点はそこにある。

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ビデオゲームはツールやテクノロジーが進化している。
新しいツールやテクノロジーの下で、
新しい感覚、まったく見たことのないものを生み出す可能性に期待している。

 

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