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【考察】なぜ、ゼルダの伝説 時の「オカリナ」なのか?リコーダーではダメなのか?

今回は、ゲーム考察記事です。

1998年11月21日に発売された、N64ソフト「ゼルダの伝説 時のオカリナ」。

ゼルダの伝説 時のオカリナ

ゼルダの伝説 時のオカリナ

 

 

2015年12月22日にとうとうWiiUバーチャルコンソール(VC)が配信されます。


ということで、このゼルダの伝説 時のオカリナに関する疑問を考察していきます。
今回の疑問はこちら!
「なぜ、キーアイテムがオカリナなのか?」

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何が問題か?なぜ問題か?
なぜ、オカリナが重要なアイテムとなりうるのか?なぜ、オカリナでないとだめなのか?オカリナ以外の楽器ではだめなのか?(笛なら、縦笛のリコーダー、横笛のフルートなどでもいいのでは?)

 

そもそも時のオカリナとは何か?
時のオカリナとは、王家が守ってきた聖地へのカギ。時と空間を操る歌を吹くことができます。この時のオカリナが物語に出てくるのは、ガノンドロフが反乱を起こしたときです。リンクが3つの精霊石をそろえると同時に、ガノンドロフハイラル城を襲撃します。王家が守る聖地への秘宝時のオカリナを奪うという強硬手段に出ます。ガノンドロフの目的は、トライフォースの力を手に入れ、ハイラルの王になること。
ハイラル王に俺はなる!!!」って感じですね。
ハイラル城を襲撃したガノンドロフですが、時のオカリナを持ったゼルダ姫を逃がしてしまいます。インパの助けで場外に逃れたゼルダ姫は、トライフォースを守るようにという祈りを込めて、時のオカリナをリンクに投げ渡します。

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(ちなみにですが、このときゼルダ姫は、馬に乗って逃亡しているため、馬上から時のオカリナを投げています。こんなことが可能なのか?という考察は別の記事にしようと思いますが、ノーステップでプロ野球選手並みの速度でオカリナを投げないといけません笑)
ゼルダ姫を追いかけるガノンドロフは、ハイラル城下町を出たところで、リンクの姿を目撃します。


ガノンドロフ「ちっ…逃がしたか! そこの小僧! 今白馬を見たはずだ。どっちへ行ったか教えてもらおう!」 
リンクは、答えない。

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ガノンドロフ「かばいだてする気か…いい度胸だ。」
リンクはここで、戦う姿勢を見せる。


ガノンドロフ「フッ…やるのか、このオレと…面白い…気に入ったぞ!」
ガノンドロフは光弾でリンクを吹っ飛ばす。


がノンドロフ小僧!オレの名をおぼえておくがいい…オレの名は、ガノンドロフ!世界の支配者となる者だ!!!

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という言葉を残して、ゼルダ姫を追いかけます。ガノンドロフがいなくなったところで、リンクはゼルダ姫が投げ渡したときのオカリナを拾います。

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(拾った瞬間にゼルダ姫の念で、時の扉を開く「時の歌」を覚えると同時に、幼馴染のサリアにもらった妖精のオカリナが無くなってしまいます…。妖精のオカリナはどうした!?)


ゼルダ「さあ!時の神殿の前で、この歌を!トライフォースはあなたが守って!」

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リンクは、時の神殿に3つの精霊石を収め、時の歌を吹き、時の扉を開きます。奥にたたずむ伝説の剣マスターソードを抜くこと、それが聖地への最後のカギだったのです。リンクの動きに気付いたガノンドロフは、聖地へと侵入し、トライフォースに触れます。しかし、ガノンドロフのもとには力のトライフォースだけ残り、知恵と勇気のトライフォースは、資格あるものを求めて飛び散ったのです…。(物語は続く…。)

 

時のオカリナが重要になるのは、上で書いた場面ですね。では、なぜ「オカリナ」なのでしょうか?

 

そもそもオカリナとは?
オカリナは、エアリード(無簧)式の笛であり、気鳴楽器の一種(リードは、振動して音源になるもの)。要するに、笛の一種。
オカリナの音は、歌口から吹き込んだ息の束(エアビーム)がエッジに当たることによって発生します。十分な大きさの音を出すためには、振動源だけでなく共振系が重要な役割を担います。
まず、息を吹きかけることで、オカリナに振動源が生まれます。このようにして発生した振動に対して、リコーダーやフルートの場合は管の内部にある空気の柱が共振して音が出ますが、オカリナの場合は大きな空洞内部の空気が共振して発音します。この点でオカリナの共振系は、リコーダーよりもギターやヴァイオリンに近いといえます。

(補足:ヘルムホルツ共振器は、開孔により外側の自由な空気と結合されている囲まれた体積の空気によって構成され、楽器に用いられる最も簡単な共振系である。ホイッスル、オカリナ、ギター、ヴァイオリンなどの共振系は、ヘルムホルツ共振器をなしている。)

ちなみに、オカリナという名称は、イタリア語の「小さなガチョウ(oca:ガチョウ rina:小さい)」に由来します。現在の形となったのは、1860年頃にイタリアのジュセッペ・ドナティ(1836年-1925年)の手で改良されてからです。

参考:ウィキペディア

 

 

さて、ここで本題。
なぜ「オカリナ」でないといけないのか?

 

 

仮説1
「息を吹きかけることが重要であるから」
ゼルダの伝説時のオカリナのモデルになっている舞台は、特にありません。
宮本茂プロデューサーも次のように語っています。

(時を超えて遊び継がれる「ゼルダの伝説」より)

デザイナー一同、どこかにありそうな風景をそれらしく作るってことがやりたかったんです。だから、とくにモデルはありません。
ただ、たとえばドイツのお城の写真集など、世界中のいろいろな資料をみんなで見ましたので、どこかに少しは反映されているかもしれませんね。

https://www.nintendo.co.jp/nom/9811/p06/

しかし、インタビューでもあるように、ドイツなどヨーロッパの世界観を引き継いでいることは、分かると思います。

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その世界観のベースにあるのは、キリスト教となります。キリスト教では三位一体の神を崇拝します。この三位とは、「天の父なる神」、その御子の「イエス・キリスト」、そして「聖霊」です。このうち「聖霊」は風と特に深いつながりがあります。「聖霊」は、ヘブライ語旧約聖書)で「ルアハ」、ギリシャ語で(新約聖書)「プネウマ」といいます。ヘブライ語ギリシャ語とも、「聖霊」のことばは、「風」そして「息」と同義語なのです。この世界観をモデルに、ゼルダの伝説の世界観が構築されていると考えると、息を吹きかけて演奏する楽器は、精霊(聖霊ではないよ)とのつながりを想起させます。
仮説1をまとめると、「息を吹きかける楽器である笛がふさわしい」ということです。

 

仮説2
「オカリナの材料が重要である」
色に注目すると、時のオカリナは、青白いです。これは、太古の時代の時空石に非常に似ています。時空石は、「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」のラネール砂漠で確認できます。

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ゼルダの伝説 スカイウォードソード (期間限定生産 スペシャルCD同梱)

ゼルダの伝説 スカイウォードソード (期間限定生産 スペシャルCD同梱)

 

 時系列的には、時のオカリナの時代よりも遠い昔、ハイラル王国建国以前の女神ハイリアの時代、この当時、緑豊かだったラネールの地で、特殊な力をもつ鉱石「時空石」が採掘されていました。この時空石は、現在と過去を切り替えることのできる力があります。時間を操ることができるのは、空間を操るのと同じこと!!(相対性理論より)。この時空を操る能力およびその色を考えると、時空を操ることができる時のオカリナは、この時空石を用いて作られた可能性があります。時空を操る能力を持たせるためには、時空石という材料を欠かすことができなかったのではないかと思われます。

では、オカリナである必然性は、何なのかというと、楽器の作りやすさの観点から考えることができます。時空石という鉱石を楽器にしようと考えると、そのまま用いるのは難しく、「やきもの」にするのが、一番妥当であると考えられます。実際、オカリナの材質は、「やきもの」で作られているものが多く、比較的容易に自作することもできるそうです。「やきもの」とは、天然に産出する土や石の粉末を用いて作った陶磁器の総称です。時空石という鉱石を材料にした場合、石物である磁器になると考えられます。石の粉を材料とする磁器は焼成後に半ガラス質となるため、たたくと高い澄んだ音がします。ゼルダの伝説ムジュラの仮面で、オカリナを地面に落とす場面があるのですが、確かに高く澄んだ音がします。(磁器は脆性な材料なのに高いところから落としても壊れないのは、なぜなのでしょう?笑)
以上を考えると、
「時空石を使う必要があり、時空石を用いた楽器としてはオカリナが妥当であった」ということです。


補足:ゼルダの伝説スカイウォードソードは、2011年に発売ということで、時のオカリナよりも後に発売されています。ということは、後付けの設定として、つじつまが合うように、時空石の設定を作った可能性もあり、あまり有力な仮説ではないかもしれません。

 

仮説3
「持ち運びできて見栄えするのがオカリナぐらいだった」
リンクが冒険していく中で、物語の重要なアイテムとなる楽器が大きいと、大変そう…。見栄えも悪いし…。オカリナは手で持って演奏する楽器であり、持ちやすさ、より良い音、楽しさなどを求めて様々の形態が生み出されてきました。デザインの自由度から考えてもオカリナが良かったのかもしれません。

 

 

以上をまとめると、
なぜ、オカリナでなければいけないのか?に対する答えとして、


「息を吹きかける楽器である笛がふさわしいから」


「時空石を使う必要があり、時空石を用いた楽器としてはオカリナが妥当であった」


「持ち運びできて見栄えするのがオカリナぐらいだった」

 

という仮説を考えました。

「いや、ここが違う!」とか「こういう仮説もあるのでは?」とか、ありましたら、コメントお願いします。
(参考文献:ウィキペディア任天堂公式ガイドブック ハイラル・ヒストリア ゼルダの伝説 大全)

ハイラル・ヒストリア ゼルダの伝説大全 (任天堂公式ガイドブック)

ハイラル・ヒストリア ゼルダの伝説大全 (任天堂公式ガイドブック)

 

 

時のオカリナ17周年を記念してWiiUじっくり絵心教室で描いた作品。

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制作過程の動画。

 補足:この記事は、ゲーム考察ブログで以前に公開していましたが、ブログをひとつにまとめるために、リライトして公開しなおしました。

 

ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D

ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D

 

 

追記

ブックマークでコメントいただきました。

N64コンで演奏するっていうのに比較的しっくりくる形なのと、リコーダーだと非日常性かけてちょっと現実に戻されて萎えたりするあたりじゃないかと。子供心にオカリナって響きは不思議な感覚で魅力的でしたね

2015/12/19 18:34

64コントローラーのABCボタンの配置がオカリナの穴に似てるからじゃないのかな

2015/12/20 09:29

 確かに、コントローラの形状は関係ありそうですね。

 

見栄え大事ですね。魔術的なロマンがありますもん。悪魔くんもオカリナですよ~。

2015/12/19 20:39

見た目は大事!

 

悪魔くんも第3、4鬼太郎もオカリナだったしアレには退魔用不思議アイテムのイメージがある 一方リコーダーは変態的であり、リンクが「ゼルダ」と書いた体操着を着ていたら似合う、そのようなアイテム 初代は無視

2015/12/20 08:50

私もいろいろ調べましたが、オカリナ自体に魔除け的な意味合いはなさそうでした(もしあったら教えてください。)。確かに、日本人にとっては、水木しげるさんの漫画の影響は少なからずあるのかもしれないですね。 あと、初代ゼルダの伝説でリンクが使う楽器は、縦笛みたいなやつなんですよね(笑) まさにリコーダー。

 

 

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