ぺんぎん村での日々

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【おすすめイラスト本】ラクガキマスター 描くことが楽しくなる絵のキホン

今回は、絵の参考になりそうな、おすすめの本の紹介です。

紹介するのは、「ラクガキ・マスター」(寄藤文平・2009年・美術出版社)です。

ラクガキ・マスター 描くことが楽しくなる絵のキホン

この本の「はじめに」に寄藤さんが述べていることですが、

「絵を描くのに、センスも才能もいりません。僕の考える絵は、作文や会話と同じです。字が美しくないと作文が書けないということもないし、人と話すのに、きれいな発音かどうかなんてあんまり関係ありません。自分が発見したことや、何を描こうとしたのかが大切なのです。」

この本は、絵を描くときに、自分が何を考えているとか、どこを大切に描いているのかを、自分自身に取材してまとめた本です。上手に絵を描くためのお手本というよりは、自分の考えていることを絵にするときの手がかりにしていただけたらと思っています。

実は、私が絵を描こうと思ったきっかけが、この本に出会ったことです。図書館でふと見つけて、絵に惹きつけられました。寄藤さんの絵には、ワクワクさせるような物語性や独特の雰囲気があると思います。早速、購入し、他の寄藤さんの本も購入しちゃいました(笑)

他の本でおすすめなのは、「死にカタログ」や「大人たばこ養成講座」。

死にカタログ

大人たばこ養成講座 MINI 1

大人たばこ養成講座は、電車のつり革広告などで見たことがある人もいると思います。

 

で、「ラクガキ・マスター」の内容について、ざっくりまとめると

0. プロローグ

1. ラインマスター

2. 置き換えマスター

3. フィギュアマスター

4. キャラマスター

5. イメージマスター

から構成されています。

 

プロローグ

ラクガキは、いちばん大きな世界を描くための、いちばん小さな絵。

眼で見た景色をそのまま写し取るだけが、絵ではありません。どこまでも想像で広がっていく世界。そこにワクワクさの源があるのかもしれないですね。

 

ラインマスター

線そのものを楽しむ章。この章の中で、気に入っているのが、「線の物語を読む」というもの。1本の線に1本の物語。1本の線から一つのストーリーを感じることができたらマスター、だそうです。超ヒマなときにやろう!!(笑)

 

置き換えマスター

上手に別のカタチに置きかえて、その感じをつかんで描くだけで、絵はずっと描きやすくなります。

私がやっている、じっくり絵心教室などでもカタチをシンプルにとらえることの重要性は何度も強調されているので、やはりこのことは相当大切なのでしょう。

 例えば、広葉樹を傘のかたまりとして描くなど。

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 ここでも重要なヒントが。

カタチを上手に置き換えるということは、カタチを単純にしていく作業ではなくて、自分が経験したことや、本で読んだ知識、自分が感じている感覚や頭の中の想像を、できるだけ簡単な線の中で結びつけることです。

それができれば、ラクガキマスターということか…。

 

フィギュアマスター

この章では、人物をリアルに描く方法でなく、人物の身体をイキイキと動かすときの考え方が書かれています。人体モデルには、いろんな方法がありますが、ここで提案されているのは、マスターモデル。

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マスターモデルの基本動作を「シ・ユ・リ・ダ・カ・ネ」に分類。

シ:締まってる人

ユ:緩んでる人

リ:力んでる人

ダ:脱力してる人

カ:傾いてる人

ネ:ねじれてる人

これらの基本動作を組み合わせることで、いろんな動きを表現できるということです。

 

キャラマスター

誰でも、人を見る眼は、天才的。「絵がわからない」と思っている人は、その絵を人の顔だと考えてみてください。…何でも生きているように感じる。この人間の特殊能力を絵に応用したのがキャラクターです。

 さらに重要なヒントが。

眼や鼻を付けたり、手や足をつけて人間に近づけることで、何でもないものが新鮮に感じられたり、そのモノの持っているよさや特徴を、いつもよりも強く感じさせてくれる。ふだん見過ごしている、モノの中の新しい一面を掘り起こすことがキャラクターをつくるときのいちばんのコツなのです。

こんな感じの例が挙げられています。

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また、組み合わせの重要性は、「アイデアのつくり方」という本でも述べられていますね。

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

 

 これは広告業界で活躍した人が書いた本ですが、この本の本質はラクガキマスターにも通じています。ざっと内容をまとめると、

1. アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外のなにものでもない

2. 既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい

既存の知識である人の顔と対象を組み合わせること、ふだん見過ごしているモノの中の新しい一面を掘り起こすこと。ラクガキマスターになるためには、アイデアのつくり方も極めねば…。

 

イメージマスター

アタマの中に絵を思い浮かべることと、実際に絵にすることには、大きな隔たりがありますよね。イメージ通りに描けないとか。この章では、その溝を埋める方法とメカニズムについて書いています。

イメージ通りの絵を描く大きな流れとしては、

1. 思い描く

もやっとしたイメージができる。

2. 箱庭を作る

イメージの中の光景を斜め上から見た箱庭を絵にして考える。

3. スカスカの箱庭になってしまう

ここからスカスカの部分を埋めていく。

4. 箱庭を印象に近づける

思い浮かべた光景と箱庭の印象が大きく違うところを修正する。

5. 調べる

アタマの中で見えていても、知らないことは絵にできません。きちんと調べることで、ようやく絵にできる。

6. 推測する

どうしてもわからない部分は想像で補う。

7. 箱庭の完成

全体がクリアになれば完成。

8. 箱庭を使って描く

出来上がった箱庭を見ながら、再度同じ光景を想像する。今度はきっとうまく描けるはず。一度箱庭を完成させれば、いろんな角度から描くこともできる。

 

ここでも重要なヒントが。

絵を描くということは、まず、頭の中に描くべきイメージがあって、それを紙に描き出すことである。そんなふうに考えている人が多いかもしれませんが、実際にはその逆です。イメージが絵になるのではなくて、絵がイメージをつくってくれる。…だから絵が完成したとき、本当に完成したのは、紙の上の絵ではなくて、頭の中のイメージなのです。

以上が、「ラクガキ・マスター」の大まかな内容です。

実際に寄藤さんの絵を見ながらこの本を読むと、無性にラクガキしたくなります。手に取ったことがない人は、書店などでぜひ見てみてください。

 

過去記事

drawdraw.hatenablog.com

 

 

drawdraw.hatenablog.com